ホーム » SNSマーケティング » ソーシャルリスニングとは?効果的な活用方法や運用ツールも紹介

SNSマーケティング

ソーシャルリスニングとは?効果的な活用方法や運用ツールも紹介

2025年04月28日

ソーシャルリスニングとはSNSをはじめとするオンライン上のメディアに投稿された消費者の声を収集・分析することでマーケティングに活かす手法です。 本記事では、ソーシャルリスニングについて活用するメリット […]

ソーシャルリスニングとはSNSをはじめとするオンライン上のメディアに投稿された消費者の声を収集・分析することでマーケティングに活かす手法です。

本記事では、ソーシャルリスニングについて活用するメリットや注意点に加え、具体的な活用方法を解説します。

\ テンプレ付き資料! /

今日から真似してすぐに始められます!

行動データではなく声を解析するのがソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングは、SNSやレビューなどに投稿されたユーザーの「声」を収集・分析し、行動データでは見えない本音を分析する行為です。

ソーシャルリスニングとSNS分析の違い

X(旧Twitter)やInstagram、掲示板、口コミサイト、ブログなどのオンライン上で生活者が発信した情報を収集・分析し、投稿者の価値観や感情、ニーズを読み解くマーケティング手法がソーシャルリスニングです。

単なる行動データの数字分析にとどまらず、「なぜそう思ったのか」「何に共感し、何に不満を持ったのか」といった文脈に焦点を当てるのが特徴です。

関連記事:SNS分析とは?成果をあげるための分析手法とおすすめツールを紹介

リスニングとモニタリングとの違い

ソーシャルモニタリングは、自社に直接寄せられる声(メンション、タグ、コメントなど)に対して受け身で反応することを指します。

対してソーシャルリスニングは、企業を超えて世の中全体の声を対象とし、能動的にマーケティング課題を読み解くアプローチです。

この違いを理解していないと、リスニングをしているつもりが、実は自社評価しか追えていなかったということも起こり得ます。

投稿の本音を読み解くソーシャルリスニングの必要性

ユーザーの投稿には、アンケートでは見えない本音や感情が含まれています。

商品改善や戦略立案に活かすためにソーシャルリスニングは効果的です。

本音は投稿の「行間」に宿る

生活者がSNSでふとつぶやいた一言は本音が滲み出ているため、マーケティング戦略では貴重な情報です。

たとえば「あのアプリ、UI変わって微妙になった」「カフェで配られてた無料サンプル、予想以上に良かった」など、投稿者自身も意識しない本音がSNSには溢れています。

ソーシャルリスニングは、こうした声の断片を丁寧に拾い、今後の商品企画やブランドコミュニケーションに活かす武器となります。

変化のスピードに追いつくために

SNS上でのトレンドや話題の流れは非常に早く、従来のリサーチ(アンケート、定性調査)では対応しきれない場面が増えています。

炎上の兆しを察知する、あるいは話題化の初期段階で反応するには、日々の生活者のつぶやきに即座に気づく体制が不可欠です。

ソーシャルリスニングの活用シーン

ソーシャルリスニングは、商品開発前のニーズ調査、キャンペーンの反応分析、炎上リスクの早期発見など、マーケティングや広報の現場で幅広く活用されます。

商品開発・改善のためのヒント探し

「パッケージが開けづらい」「香りがちょっと強すぎる」など、レビューサイトでは見落とされがちなリアルな声はSNSに多く存在します。

これらは機能性の改善だけでなく、新たな市場ニーズの兆候である場合もあります。

ただし、 情報の鮮度が高い分一時的な話題(トレンド)に過剰反応してしまうリスクがあります。

投稿の広がりと深さの両面を確認し、単発の声ではなく傾向として捉えるようにしましょう。

競合・業界全体の分析

自社では見えてこない顧客のニーズやトレンドを、競合ブランドや業界全体の文脈から発見できます。

「A社のサービスは便利だけどサポートが弱い」「このカテゴリ、Z世代から人気落ちてる?」といった声を生活者は思いのままに発信しています。

競合のバズ投稿や話題になった施策にばかり注目してしまうと、逆に戦略がブレてしまう可能性があります。

比較する対象はあくまで構造的な課題やブランドの位置付けに絞って設計しましょう。

ブランドポジショニングの再設計

「そのブランドって結局何のイメージ?」という問いに、企業内のマーケターは答えられても、実際の生活者側の認識と乖離している場合があります。

聞かれて答えた情報を鵜呑みにするのではなく、普段の印象を丁寧にリスニングすることで、他者視点から見た自社の印象を知り、コミュニケーションの見直しに繋がります。

ブランドへの評価はポジティブもネガティブも混在しています。

好意的な投稿ばかりを抽出して安心するのではなく、ネガティブ意見の背景を丁寧に分析することが、ブランディング強化の鍵になります。

関連記事:SNSを活用したブランディング成功事例6選!運用が上手い企業の共通点も解説

関連記事:コミュニティ分析とは?顧客の数値化・分析方法を解説

ソーシャルリスニングの運用ステップと注意点

①目的設定|何を知りたいか明確にする

「自社商品の課題点を知りたい」「Z世代の購買行動を探りたい」など、調査目的を明文化するところからスタートします。

目的によって必要なツールや分析手法も変わるため、ここを曖昧にするとプロジェクト全体がうまく機能しません。

②キーワード設計|関連語や感情語も視野に入れる

調査対象に沿ってキーワードを設計します。

自社名や商品名に限らず、通称、俗語、スラング、関連ハッシュタグなども収集対象に含めましょう。

表面的な単語だけに頼ると、重要な投稿を見逃す可能性があります。

ポジティブな表現だけでなく、「だるい」「微妙」「コスパ悪い」といった否定的な表現に着目することも重要です。

③ツール選定とデータ収集|目的に応じた選択が鍵

ソーシャルリスニングの実行には、膨大な投稿を効率的かつ網羅的に収集・分析できるツールの活用が不可欠です。

目的に応じて適したツールを選定し、必要なデータを継続的に収集していく体制を整えましょう。

④定量×定性の分析|数字と文脈のバランスが鍵

集めた投稿を「件数・時間推移・感情傾向」などの定量的視点と、「具体的にどう語られているか」という定性的な視点で分析します。

感情の起伏が大きい投稿(炎上や絶賛など)に引っ張られないよう、母数全体を俯瞰して傾向を見る必要があります。

個別投稿に偏りすぎず、声の重なり=投稿数を捉える視点が大切です。

⑤インサイトの抽出と施策活用

分析結果から「何を読み取るか」を社内で言語化し、具体的な改善提案や戦略立案に落とし込みます。

分析結果の報告だけで終わってしまうことのないように分析したインサイトを意思決定の材料として、関係部署と共有・議論するプロセスまで含めて運用しましょう。

代表的なソーシャルリスニングツール4選

代表的なソーシャルリスニングツールを紹介します。

それぞれに強みがあり、目的や予算、運用体制に応じて選定することが求められます。

1. Brandwatch(ブランウォッチ)

Brandwatchは、世界中のSNS・ニュース・ブログ・レビューサイトを対象に、リアルタイムで膨大なデータを収集・分析できるグローバル対応型ツールです。

特に英語圏の投稿解析に強く、海外市場への展開を視野に入れている企業に向いています。

具体的には海外市場への進出を検討している製造メーカーが、対象国で自社ブランドの話題性や競合のブランドシェアの比較を把握するために活用するケースが考えられます。

強み:AIによる感情・話題分類、ビジュアルデータ認識機能

対応SNS:X、Instagram、Facebook、YouTube、Reddit、他

参考:Brandwatch – SNS分析ツール

2. Quid Monitor(クィッドモニター)

Quid Monitorは、消費者心理に関する深い分析に定評のあるツールです。

感情だけでなく、「ユーモア」「皮肉」などのニュアンス分類や、競合比較も可能です。

例えば新商品リリース後に「なぜユーザーが好意的なのか、否定的なのか」の裏側を深堀りし、次回のキャンペーン企画にフィードバックするといった利用に向いています。

強み:深層感情分析とカテゴリ分類、ダッシュボードの柔軟性

対応SNS:主要SNS全般、Webメディア、レビューサイトなど

参考:Quid Monitor

3. BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長

日本国内での口コミ分析に特化したツールで、ブログ・掲示板・Twitter・Instagramの口コミ投稿を網羅的に収集・可視化します。

例えば新製品を発売したブランドが、メディアで取り上げられた後の口コミの変化をリアルタイムに把握し、販促タイミングの最適化を計画するのに活用できます。

強み:日本語分析の精度、導入コストが比較的低い

対応SNS:X、Instagram、2ちゃんねる、Yahoo!知恵袋、他

参考:BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長

4. Social Insight(ソーシャルインサイト)

投稿の推移・反応・感情傾向などを簡易なUIで可視化できるツールです。

インフルエンサー分析、競合アカウント比較、ハッシュタグの伸びなど、運用支援にも活かしやすい機能が豊富に揃っています。

SNSキャンペーン実施中のブランドが、投稿数や好感度の推移を毎日チェックしながら途中でバナーの訴求文をチューニングするなど、SNSの運用チームが業務改善するのに効率的な活用ができます。

強み:UIが直感的で使いやすい、SNS運用との連携がしやすい

対応SNS:X、Instagram、YouTube、TikTok ほか

参考:Social Insight

生活者の声をマーケティングに活用する

ソーシャルリスニングの重要性や具体的な運用方法について解説してきました。

自社の目的に合わせて適切に運用することで、ブランドへの理解促進やリスク回避、ひいてはマーケティング成果の最大化にもつながります。

弊社では、SNS運用に役立つ知識やノウハウをまとめた『はじめてのSNS運用ガイド』を無料配布中です。

「SNSの活用方法がわからない」「どこから始めればいいのか迷っている」といった方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を共有する