界隈マーケティングとは、界隈を対象としたマーケティング戦略です。
「界隈」とは、SNSの普及によってあらためて注目されるようになった、共通の興味や関心でつながるコミュニティを指します。
従来のマーケティングで届かなかった層にアプローチできるため、新たな市場開拓が期待できます。
本記事では、界隈マーケティングの概要や界隈消費が拡大する理由、成功へ向けたステップについて解説します。
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界隈マーケティングとは|SNS上のゆるやかなコミュニティを対象としたマーケティング手法

界隈マーケティングとは、興味関心を軸にゆるやかにつながる「界隈」と呼ばれるコミュニティを対象にしたマーケティング戦略です。
SNS上では、「好き」を軸にゆるくつながるコミュニティ内で「界隈消費」と呼ばれる消費行動が生まれています。
僕と私と株式会社の調査において、SNS広告を通して購買行動を促されたことがあるかという質問で「はい」と回答したのは約3割でした。
これは、半数以上が広告で購買意欲を高めていない結果となります。
一方、博報堂の「Future Evangelist Report」によると、10代の男女で「界隈」で見聞きした情報をもとに商品やサービスを購入したことがあると回答した人は、男性で38.8%、女性で56.3%に上ります。
また、30〜40代でも2割弱が商品やサービスを購入したと回答しました。
調査対象や質問内容が異なるため単純比較はできないものの、広告に反応しづらい層に対して「界隈消費」が届きやすいことが見込まれます。
このように、界隈マーケティングは、市場拡大に向けた新たなアプローチ手法として注目されています。
関連記事: ファンマーケティングとは?SNSとの掛け合わせ・メリット・弊社事例も解説
参考:Z世代の4割が“広告っぽさ”が強い広告は「購買意欲が下がる」と回答。SNS広告について大調査!|僕と私の株式会社
参考:Future Evangelist Report|博報堂
界隈マーケティングで期待できる効果
企業は界隈マーケティングの実践により、次の効果が期待できます。
- 新たな顧客層と接点が生まれる
- 自社製品やサービスで新たな利用価値を見出せる
- ブランドの中長期的な育成できる
界隈マーケティングでは、従来のマーケティングで届かなかった層にアプローチしやすいため、市場の拡大が可能です。
新規顧客獲得はもちろん、界隈に属する人との深い関係構築により、自社のブランド育成も見込めます。
関連記事:今考えたい企業SNS戦略とは?「中の人」運用の限界と次の一手
界隈単位のアプローチが広告では届かない層に刺さる理由
界隈単位のアプローチが広告に反応しづらい層にも届きやすくなる理由を3つ解説します。
- 界隈消費が起こるため
- 話題が界隈外に広がる場合もあるため
- 関心度が多様なユーザーで構成されているため
界隈消費が起こるため
広告ではリーチしづらい層にも届く理由は、「界隈」の中で発信されることで共感が生まれ、自然なかたちで消費行動につながるからです。
界隈内での独自の価値観や暗黙のルールによって、客観的には強い購買理由でなくても内輪的なノリを盛り上げる形で消費が発生するのが界隈消費の特徴です。
たとえば、界隈の中で誰かが商品をSNS上でおすすめした投稿をきっかけに評判がコミュニティ内に広がり、「話題だから」という理由で購入する人が出てくるなど界隈内の盛り上がりが消費行動を促進します。
話題が界隈外に広がる場合もあるため
界隈内だけでなく外部へも行動消費を拡大させられるのが、広告では届きにくい層に刺さりやすくなる理由です。
界隈にははっきりした境目がなく、複層的に重なり合う界隈に複数関わっているユーザーも多くいます。
たとえば、アニメ界隈で某キャラクターが使っていたコスメが話題になったのをきっかけに、コスメ界隈や量産型界隈に伝わるケースがあります。
そのため、これまで届かなかった層にも自社商品やサービスが刺さり、消費拡大が期待できるでしょう。
関心度が多様なユーザーで構成されているため
界隈は従来のファンコミュニティと違って、異なる関心度のユーザーが混在しています。
なかには、界隈ごとにアカウントを変えているユーザーもいるほど、多様なユーザーで構成されています。
熱量が高いユーザーだけでなく、関心の低いユーザーにも影響が波及するのが特徴です。
たとえば「買うつもりはなかったけど話題についていきたい」という理由で購入するケースもあります。
界隈マーケティングでは、熱量の高い層だけでなく、幅広い層にきっかけを作り出し、購買行動を促すことができるでしょう。
界隈マーケティングを成功に導く3つのステップ
界隈マーケティングを成功に導く方法を3つのステップに分けて解説します。
- 自社と関連する界隈を見つける
- 界隈が何を求めているのか理解する
- 刺さる発信で信頼を届ける
1.自社と関連する界隈を見つける
まずは、自社商品やサービスと関連がつくれそうな界隈を見つけましょう。
SNS上のハッシュタグや投稿されている写真、プロフィールなどからリサーチするのがおすすめです。
「〇〇界隈」と検索してもヒットしやすく、各SNSの特性を踏まえたうえで、自社のターゲットとなる界隈を洗い出します。
たとえば、アニメ界隈であれば「オタ活界隈」「聖地巡礼界隈」などのカテゴリーを探すと、関連性のヒントを得られるでしょう。
界隈の細分化を活用するのが、自社との関連を見つけるポイントです。
2.界隈が何を求めているのか理解する
界隈を洗い出せたら、界隈消費の可能性が考えられる界隈の特性を理解しましょう。
ただし、界隈ごとにコミュニケーションのポイントは異なります。
そのため、次のポイントを把握しておくのが大切です。
- どのようにアプローチすると共感を得られるのか
- 界隈がどのようなことに困っていて何を求めているのか
界隈で自社商品の使われ方を理解することで、マーケティング戦略を立てやすくなります。
界隈内のカルチャーや価値観をリサーチしたうえでアプローチ設計を考えると、界隈マーケティングの成功につながります。
3.刺さる発信で信頼を届ける
界隈消費の拡大には、界隈内の反応を引き出せるポジティブな発信が重要です。
界隈では、ほかの人と喜びを共有したい気持ちから、情報をシェアして界隈外へ広く伝わっていく特性があります。
熱量はユーザーによって異なるため、「〇〇界隈で熱量が高い方へ」など、界隈内で階級があるような発言はシェアされにくいでしょう。
企業の利益ではなく、界隈が求めている楽しみ方や商品を利他的な気持ちでポジティブに発信することが大切です。
強い共感により「自分たちのことをよくわかっている」と信頼されることで、界隈消費の拡大が期待できます。
界隈での炎上・逆効果を防ぐためのポイント
界隈には、ファンコミュニティのように熱量の高いファンの集まりや、テーマに特化したコミュニティといった明確な境界線がありません。
ユーザーは適度な距離感でゆるく活動しているため、界隈に対するモチベーションも人それぞれです。
ほかでは手に入らない情報を得られるものもあれば、瞬間的な楽しさで盛り上がれるコミュニティなど、界隈の温度感も異なります。
界隈に属しているからといって、急速に距離を縮めようと企業が参入すると、炎上する場合もあります。
界隈について理解を深め、共感やリスペクトを重視するのがポイントです。
企業が界隈の特性やコミュニケーションポイントを理解せずアプローチすると、界隈マーケティング成功につながりません。
逆効果を防ぐためにも、界隈について入念なリサーチを行ったうえで、刺さるアプローチ方法を決定しましょう。
関連記事:ブランドイメージと発信力を守る!企業SNSリスク管理のポイントと対策
界隈マーケティングで顧客と新たなつながりを作ろう
界隈マーケティングは、これまでアプローチできていなかった顧客層と接点を設けられるため、新たなマーケティング戦略として注目されています。
自社製品やサービスの新たな利用価値や新顧客開拓などが期待できるため、界隈マーケティング成功へ向けた戦略が重要です。
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