SNS運用のトラブルは信用やブランドに直結します。
安心して発信するために、リスク管理は戦略の一部として強化すべきです。
本記事では具体的な対策を解説します。
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企業SNSのリスク管理不足はブランドイメージや売上への悪影響を招く
企業SNSはブランドイメージ向上に欠かせない発信ツールです。
一方で管理不足から起こるトラブルは、消費者の信頼を損ねてしまいます。
実際、「デジタル・クライシス白書」によると、2020年にはSNS炎上が1,415件発生しており、前年より15.2%も増加したとのデータがあります。
また、炎上したSNSを見た人のうち33.5%が「購入や利用をやめた・検討し直した」と回答しており、ブランドへの印象を悪化させたデータもあります。
参考:デジタル・クライシス白書2021|シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所
SNSでブランドのポジティブなイメージを発信し続け、売上につなげるためには、トラブルの予防が必要です。
企業のSNS活用が進む一方で危機管理やルール整備は後回しになっている
SNSの活用が拡大する一方で、リスクへの対策が遅れている企業も少なくありません。
運用ルールが整備されていない、トラブルに対応する体制が整っていない、などの状況が見られます。
たとえば、デジタル・クライシス総合研究所の調査によると、日経平均採用銘柄225社のうち、SNS利用規約やガイドラインを公開している企業はわずか15社(6.7%)に留まっています。
参考:ネット炎上急増!日経平均採用銘柄225社中、ソーシャルメディアポリシー、SNS利用規約の必須項目を網羅し、公開している企業はわずか15社(6.7%)のみ|一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所
「自社は大丈夫だろうか?」と不安に感じた時こそ、ルール整備やリスク管理の見直しに取り組むチャンスです。
企業SNSが直面する2つのリスクは「自社によるミス」と「外部からの攻撃」の2つに分けられる
企業SNS運用のリスクは、「自社のミス」と「外部からの攻撃」の2種類に分けると、対策の方向性が明確になります。

「自社によるミス」と「外部からの攻撃」事例と対処法のポイント
リスクの具体例を知ることで、自社SNSの課題に気づきやすくなります。
ここでは、「自社によるミス」と「外部からの攻撃」に分けて、事例と対処法のポイントを紹介します。
自社によるミスを防ぐにはリテラシーの向上や社内体制の強化が必要
SNSでは、不用意な投稿が批判を招き、企業の信頼やブランド価値を損なうケースがあります。
背景には、SNSに対する従業員のリテラシーが低い、投稿前の社内チェック体制がない、といった要因があります。
これまでにも、以下のような事例がありました。
【自社によるミスの事例】
リスク | 事例 |
表現の配慮不足によるブランドイメージの低下 | ・運送会社の「すっぴん女性vs配送員」の広告が女性に差別的と批判を浴び炎上 ・アパレル企業で「透けハラ対策」の表現が不適切とユーザーに受け取られ、キャンペーンの告知が炎上 |
従業員による情報漏洩 | ・職員が私的に撮影した投稿画像に書類が写りこんでおり、税務情報の一部が流出したケース |
ステルスマーケティングに該当する法令違反 | ・大手製薬会社にて、インフルエンサーがサプリを広告と明示せず紹介し、企業が措置命令を受けた事例 |
こうしたミスを防ぐには、リスクを意識できる人材の育成と、投稿前のチェック体制が不可欠です。
ユーザー心理の把握やリテラシーの向上、社内での運用体制の見直しが、炎上リスクを未然に防ぎます。
外部からの攻撃を防ぐにはアカウントのセキュリティ対策や監視が必要
企業SNSのアカウントは、外部からの攻撃にもさらされやすいツールです。
とくに「アカウントの乗っ取り」「虚偽情報の拡散」など企業の信頼性や売上に直結しかねないケースを以下にまとめました。
【外部からの攻撃の事例】
リスク | 事例 |
アカウントの不正アクセスや乗っ取り | ・アカウントが乗っ取られて自社を装ったスパムの恐れがあるURLが投稿され、ユーザーが誤ってアクセスしかねない状況になったケース |
悪質なユーザーによる誤情報の投稿や拡散 | ・乳製品メーカーに対してユーザーから「実はマーガリンが配合されている」とする虚偽の投稿が拡散されたケース |
これらのリスクに対抗するには、二段階認証やパスワード管理の徹底などのセキュリティ対策、日常的なアカウントの監視体制が必要です。
自社SNSを守るために実践したいリスクマネジメントの基本6ヶ条
自社のSNSをリスクから守るには、「自社によるミス」と「外部からの攻撃」の両面からの対策が必要です。
以下に、実践すべき6つの基本対策を紹介します。

関連記事:企業SNSのリスクマネジメント方法!資格・リスクと対処法を解説
1:SNSガイドラインを作成して社内に浸透させる
SNS利用時のルールやスタンスを明文化し、社内外に示しましょう。
発信してはならない情報や発信の際の留意点など、SNS利用に関するルールやポリシーを社内に示すには「ソーシャルメディアガイドライン」、ソーシャルメディア利用に際してのスタンスや心構えを社外に示すには「ソーシャルメディアポリシー」の作成が必要です。
策定後は、社内外への周知によって浸透させることでリスクの予防につながります。
2:SNSリスクについての研修や資格の受験サポートを実施する
社内のSNSリテラシーを高めるために、炎上対策をテーマにした研修や「SNSエキスパート検定」などの受験支援も有効です。
従業員の正しいSNSリスクへの理解が深まり、投稿前の判断力も養われます。
社内全体に導入することで、意識の底上げにつながります。
3:投稿前のチェック体制を整える
投稿内容を複数人で確認する体制は、ミスの防止につながります。
ダブルチェックや上長による承認フローなど、基本的なルールを決めて明文化しておくことで、表現の不備や誤情報の拡散を未然に防げます。
4:ソーシャルリスニングを炎上リスク対策に活かす
SNS上の消費者の声を収集・分析する「ソーシャルリスニング」は、炎上の予兆を察知する手段として有効です。
ネガティブな反応やキーワードをあらかじめ把握できれば、投稿内容を事前に調整できます。
情報収集の一環として活用し、炎上を未然に防ぎましょう。
関連記事:ソーシャルリスニングとは?効果的な活用方法や運用ツールも紹介
5:SNSアカウント管理の強化をはかる
SNSアカウントの安全性を高めるには、パスワードの強化や二段階認証の導入、管理者の限定などが有効です。
また、怪しいメールやリンクを不用意に開かないといった、従業員の基本的なセキュリティ意識も求められます。
これらの対策により、アカウント乗っ取りのリスクを減らせます。
6:SNS監視体制やトラブル発生時の初動マニュアルを整える
万一のトラブル発生時には、スピーディーな対応が求められます。
SNSの炎上が起こるとマスメディアの報道によってユーザーに認知され、さらにSNS上で拡散されるという相互作用も指摘されています。
初動対応の速さによって、被害の拡大を防げます。
平常時からSNS監視体制を構築し、初動マニュアルにそって対応できるように備えておくことが大切です。
企業SNSのリスク管理は外部エキスパートの活用が安心の鍵
企業SNSのリスク管理は、マニュアル整備から監視体制、緊急時の即応まで多岐にわたります。
複雑な業務を社内のみで完結するのは難しいケースもあるでしょう。
そこで、専門知識を持つ外部エキスパートの活用が効果的です。
外部からの支援には、以下のメリットがあります。
- 自社SNSの課題やリスクの可視化
- トラブル時の迅速な対応依頼
- 運用担当者の心理的・時間的負担の軽減
信頼できる専門家と連携することで、SNSを安心して活用でき、本来の発信力強化に注力できます。
安心・安全なブランド発信のために企業SNSのリスク管理を始めよう
SNSは発信に欠かせないツールだからこそ、リスクを適切に管理して「守り」を固めておく必要があります。
幅広いリスク管理が必要な場面では、社内対応に限界がある場合も少なくありません。
外部の力を借りることで、より安全で持続可能なSNS運用が実現します。
kazeniwaでは、SNS運用をサポートする『SUP』を提供しています。
「SNSのリスク管理をどこから始めればいいのか迷っている」「SNSのリスク管理方法をより具体的にアドバイスしてほしい」といった方は、ぜひお気軽にご相談ください。