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SNS時代の界隈とは?使われ方や企業が活用する際に文化を理解すべき理由

2025年07月14日

界隈とは、一般的に「該当の辺り一帯」を指す用語です。 しかし、Z世代をはじめとする若年層がSNS上で趣味や関心ごとにゆるくつながるコミュニティを指して使うようになり、新たな意味で注目されています。 本 […]

界隈とは、一般的に「該当の辺り一帯」を指す用語です。

しかし、Z世代をはじめとする若年層がSNS上で趣味や関心ごとにゆるくつながるコミュニティを指して使うようになり、新たな意味で注目されています。

本記事では、界隈の定義や使われ方、企業がSNS運用をする際に界隈文化を理解すべき理由について解説します。

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SNS時代の界隈|該当する辺り一帯や特定の分野に関わる人たち

SNS時代の界隈|該当する辺り一帯や特定の分野に関わる人たち

界隈とは該当する辺り一帯や、特定の業界・趣味などの分野に関わる人たちを表す言葉です。

SNSの普及により、界隈と呼ばれるコミュニティでのつながりが容易となり、流行に至りました。

新たに流行した界隈はもともとZ世代や若年層を中心に広がっていましたが、トレンド性の高さから30代や40代とほかの年齢層へも徐々に拡大しています。

SNS上における界隈の特徴は、以下のとおりです。

  • 中心となる人物がいない
  • 明確な境界線がない
  • 複数の界隈に所属しているケースが多い

界隈はトレンドワードとして一般的に使用されており、好きを軸につながるコミュニティが多様化しています。

SNSでは、界隈を起点とした消費も生まれていることから、企業では界隈マーケティングへの注目が高まっています。

関連記事:今考えたい企業SNS戦略とは?「中の人」運用の限界と次の一手

話題になる界隈の具体例と背景

界隈をイメージしやすいよう、話題となった具体例と背景を3つ紹介します。

  • キャンセル界隈|お風呂や食事などが面倒なことで生まれた共感
  • 回転界隈|インターネットミームとの相性の良さで注目
  • 着物界隈|推し活の一環として話題

キャンセル界隈|お風呂や食事などが面倒なことで生まれた共感

キャンセル界隈とは、特定の行為を意図的に行わない人たちのコミュニティで、SNS上でトレンドになりました。

なかでも、「風呂キャンセル界隈」は話題になったワードのひとつで、心身のコンディションにより入浴が難しいと感じる人たちの間で使われはじめました。

お風呂に入る行為が面倒という点に共感を持つ声があったという理由から、SNS上で話題になった事例です。

Z世代向けの調査では、「風呂キャンセル界隈」を知っていると回答した人が65%に上るるという結果もあります。

お風呂以外にも、Z世代では食事よりほかのことを優先したいという理由から「ごはんキャンセル界隈」というワードも広がっています。

キャンセル界隈のなかではカテゴリーが存在しており、粒度もさまざまです。

関連記事:Z世代マーケティングとは?Z世代の特徴や成功事例を徹底解説

参考:CANVAS|Z世代の間で使われる「界隈」とその意味とは?

回転界隈|インターネットミームとの相性の良さで注目

回転界隈とは、TikTokで流行した界隈で、音楽にあわせて回る動画を好んで投稿・消費するコミュニティです。

テンポの良さや視線誘導効果により、クセになるとSNS上で話題を集めており、動画自体に「回転界隈」と名付けられるケースもあります。

TikTokで「#回転界隈」と検索すると、2025年6月時点で35,000件以上の投稿数が確認できました。

もとの素材をほかの人がアレンジするインターネットミームとの相性の良さから、回転界隈はSNS上で使われている話題性の高い具体例となります。

着物界隈|推し活の一環として話題

着物界隈とは、着物好きや着て楽しみたい方が集まるコミュニティです。

自由度が高く、個性的な着こなしができるファッション性の高さから、着物は若年層の間で注目を集めています。

推しカラーを取り入れた着物や浴衣でイベントに参加する女性が増えており、同じものを好む人と楽しみたいという共感欲求を得られる点も話題となった理由のひとつです。

実際に、全国の観光主要エリアに店舗を展開している着物レンタル店の株式会社バサラホールディングスでは、推し活セットが紹介されています。

明確な境界線がなく、各コミュ二ティが重なり合っている点が界隈の特徴です。

界隈の特性を活かし、界隈消費を生み出す具体例といえます。

参考:着物レンタルVASARA

SNS別界隈の特徴

SNSによっても、界隈の特徴は異なります。

界隈が盛り上がりやすい代表的なSNS別に、傾向をまとめました。

SNS界隈の傾向
X(旧Twitter)・ハッシュタグや引用などを活用して話題性の高い界隈を素早く拡散しやすい点が特徴
・ミーム界隈や界隈の時事ネタなど継続的で深いつながりになりにくい界隈も多く見られる傾向
Instagram・写真や動画が中心のため、映える系界隈が多く見られる傾向
・ファッション界隈や美容界隈をはじめ、天界をイメージした世界観のファッションとなる「天使界隈」など、個性を表現できる界隈が特徴
TikTok・ショート動画の投稿がメインで若年層が主なユーザーとなるほか、フォロワー以外のユーザーにも閲覧されやすいのが特徴
・ミーム界隈やダンス界隈など流行の発信が多い傾向

SNSの特性や界隈の傾向を踏まえたうえで、利用するプラットフォームとアプローチ方法を検討しましょう。

企業がSNS運用をする際に界隈文化を理解すべき理由

企業がSNS運用をする際に界隈文化を理解すべき理由を3つ解説します。

  • 価値観に対する尊重を重視しなければ共感を得にくい
  • 界隈の活動を盛り上げる楽しみ方を求めている
  • 界隈によってアプローチ方法が異なる

価値観に対する尊重を重視しなければ共感を得にくい

企業が界隈を活用したSNS運用を行う場合、各コミュニティが大切にしている価値観へのリスペクトを忘れないための環境作りが必要です。

界隈では、共感と信頼が基盤になっているため、表面的な関わりや企業目線での押し付けはかえって反感を買うこともあります。

特に、一定の熱量や共感があるから購入意欲が高いといった考えには、敏感になるため注意が必要です。

たとえば、オタ活をしているから推しカラーの商品が界隈で話題になるといった発想は、共感を得られにくい場合があります。

企業はSNS運用をするにあたって、界隈が何を求めているのか理解する姿勢が重要です。

界隈の活動を盛り上げる楽しみ方を求めている

界隈にいる人は、企業の商品やサービスの購入を通じて、活動をどのように盛り上げられるのかに関心を持っています。

ユーザーの購入意欲を高めるためには、自分事化してもらう必要があります。

自社の商品やサービスの利用による効果だけを訴求しても、界隈で共感を得るのは難しいでしょう。

購入意欲の促進には、効果とあわせて活用シーンを具体的にイメージしてもらう訴求が重要になります。

そのため、企業は自社のサービスを取り入れることによって、活動をどのように楽しめるのか界隈の特性をもとに研究することが重要です。

界隈によってアプローチ方法が異なる

企業がSNS運用をする際に界隈文化の理解が求められるのは、界隈ごとに好まれるコミュニケーショントーンやカルチャーが異なるためです。

界隈によっては、カテゴリーが細分化されています。

たとえば、推し活界隈といっても、Aの推し活とBの推し活ではルールやマナーに違いがあります。

界隈と一括りにしてしまうと、共感を得られにくく、マーケティングに活かせない可能性がある点に注意しましょう。

企業がSNS発信で界隈を使用する際の注意点

企業がSNS発信で界隈を使用して炎上しないための注意点を2つ解説します。

  • 一括りにした発言は避ける
  • ネガティブ印象を与えないよう配慮する

一括りにした発言は避ける

界隈と一括りにすると不快に感じる人もいるため、発言には注意が必要です。

界隈に対する温度差は人によって異なり、なかにはネガティブな意味と捉える方や属している実感がない方もいます。

たとえば、「オタ活界隈の人はみんな推しカラーのアイテムが好きですよね」と一括りに断定した発言は、誤解を生む可能性があります。

界隈の人に発信する際は、決めつけた発言を避け、「〇〇界隈で注目されている新商品」など柔らかい表現を心がけましょう。

関連記事:ブランドイメージと発信力を守る!企業SNSリスク管理のポイントと対策

ネガティブ印象を与えないよう配慮する

界隈という言葉には、ネガティブなニュアンスも含まれているため、文脈に注意を払う必要があります。

「炎上騒動で話題の〇〇界隈」といった表現をすると、頻繁にトラブルが発生しているようなニュアンスにとられる場合があるためです。

ネガティブな印象を与えないよう「勢いが止まらない〇〇界隈」「活気のある〇〇界隈」などポジティブな言い回しを工夫するのがポイントになります。

使用シーンによっては印象が悪くなるため、界隈でネガティブな印象を与えないよう配慮しましょう。

界隈の特性を理解して自社のSNS運用に活用しよう

界隈は「該当の辺り一帯」を指す言葉で、SNS上では好きを軸につながるコミュニティとしての意味を持っています。

SNSにおいて界隈というキーワードは若年層だけでなく、ほかの世代でも広がりを見せています。

自社の製品やサービスで新しい価値を生み出したい場合には、界隈をマーケティングに活かすのがおすすめです。

しかし、発信内容によっては炎上を生む可能性があるため注意が必要です。

弊社kazeniwaのSUPでは、SNSやマーケティングに関する有識者が貴社のSNS運用を支援します。

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