クリエイティブは、マーケティングにおいて重要な役割を担う要素のひとつです。
しかし、いざ制作を依頼しようとすると、価格の相場が分からず判断に迷う企業も少なくありません。
本記事では、クリエイティブ費用が決まる流れや変動要因、料金相場を解説します。
クリエイティブ費用はどう決まる?|工程とコスト構造を見える化
クリエイティブとはビジュアルコンテンツやWebページ、テキストなど表現に関わる制作物のことです。
以下では、クリエイティブ費用の実情と、費用が発生する工程を詳しく解説します。
- クリエイティブ費用の実情|間接コストや変動要因とは?
- 費用が発生する工程を分解|クリエイティブ制作の流れ
クリエイティブ費用の実情|間接コストや変動要因とは?
クリエイティブの種類は広告用のバナーやWebサイト、ロゴなどさまざまです。
それぞれに作業の内容や量、工数が異なるため、種類が変われば当然費用も変動します。
さらに、同じ種類であっても制作物のボリュームや難易度、依頼主の業界によって価格は変動します。
また、クリエイティブ制作の費用は、制作費だけではありません。
ディレクション費や企画費といった、間接的なコストも状況に応じて発生します。
このように、クリエイティブ制作の費用は変動要因が多く、間接コストもその時々で発生するため、明確な適正価格は存在しません。
そのため、最善の判断をするためには費用が発生する場面や変動要因、料金相場、依頼先の違いへの理解を深めることが重要です。
費用が発生する工程を分解|クリエイティブ制作の流れ

上記はクリエイティブ制作の一般的な流れです。
制作物や案件によって流れが変わる場合もありますが、おおよそ上記の流れで進められます。
各ステップ内で複数の工程が発生し、人件費や時間なども工程ごとに発生します。
そのため、工程が増えるほどに、人件費と時間が増加し費用も上がるのです。
クリエイティブの制作費用は種類だけでなく、工程の数によっても変化すると覚えておきましょう。
制作前に知りたいクリエイティブの目的と狙う効果の関係
クリエイティブを制作する前には、制作目的と狙う効果の関係を知ることが重要です。
関係性を知れば、クリエイティブの効果的な運用が可能になります。
適正価格の判断や方向性の決定にも役立つので、ぜひ把握しておきましょう。
- 広告目的ならコンバージョンを狙う
- プロモーション目的なら認知拡大を狙う
- ブランディング目的ならイメージの向上を狙う
広告目的ならコンバージョンを狙う
広告は特別な目的が無い限り、会員登録や購入などのコンバージョン(CV)を狙います。
そのため、広告に利用するクリエイティブも、CVの獲得を狙うのが基本です。
具体的にはユーザーの関心を引きつけ、行動へと導くデザインを作成し、CV率の向上を図ります。
効果の基準となるのは広告のクリック率とリンク先のコンバージョン率、訪問後のユーザー行動です。
測定に関しては、広告サービスが提供する解析ツールやアクセス解析ツールを活用します。
プロモーション目的なら認知拡大を狙う
プロモーションは、企業や商品の魅力を広めるために必要となる取り組みです。
主に認知度を上げ、利益を最大化するために実施します。
そのため、プロモーション目的のクリエイティブは、認知拡大のサポートが主な目標となります。
プロモーション目的で利用される主なクリエイティブは、Webサイトと動画です。
認知度については、Webサイトのアクセス数やブランド表示回数(*1)、SNSでの反応などを調査して計測します。
*1:検索エンジンやSNSにて自社ブランドのキャンペーンが表示された回数
ブランディング目的ならイメージの向上を狙う
ブランディングとは自社やサービス・商品のイメージ向上と、ブランド力の強化を狙う施策です。
視覚や聴覚に訴えかけるクリエイティブは、イメージアップを狙うブランディングにも活用できます。
自社や商品に合ったクリエイティブを制作し、適切に運用すればイメージの向上が期待できます。
さらに、顧客からの印象が良くなるため、中長期的な売上向上も望めるでしょう。
クリエイティブの効果は、ユーザーの行動変容や認知の変化を通じて把握できます。
たとえば、ブランドリフト調査(*2)、サーチリフト調査(*3)などを行って測定し、数値として把握することが可能です。
*2:対象のクリエイティブを見たユーザーと見ていないユーザーを対象に、購買意識の変化や認知度、好感度の調査を行い比較する手法
*3:ブランド名や商品名などの検索数に着目した効果測定方法
クリエイティブ費用の料金相場
次は、クリエイティブ各種の料金相場を紹介します。
実際の費用は見積もりが出るまでわかりませんが、費用が適正か判断するとき、予算を決めるときの基準となるためぜひ把握しておきましょう。
- 広告バナーデザイン
- ロゴデザイン
- 動画コンテンツ
- コピーライティング
- Webサイト・LPデザイン
広告バナーデザイン
広告バナーとはWebサイトやアプリの広告枠に表示される、四角形の広告媒体です。
ユーザーの興味を引き、リンク先に誘導することが主な目的となります。
広告バナーの料金はサイズによって大きく変動します。
サイズ別の相場は以下の通りです。
バナーサイズ | 料金相場 |
極小サイズ(縦横の合計が300px以下) | 2,000円〜4,000円 |
小サイズ(縦横の合計が300px~1,000px) | 3,500円〜5,000円 |
中サイズ(縦横の合計が1,001px~2,000px) | 5,000円〜9,000円 |
大サイズ(縦横の合計が2,001px以上) | 6,000円〜1万円 |
また、動きのあるGIFアニメーションバナーでは、4,000円〜1万円ほどが料金に上乗せされます。
より高度なHTML5バナーとなると、静止画バナーの2倍以上の費用が発生します。
ロゴデザイン
ロゴとは、企業の理念やブランドイメージを表現するための図形や文字のことです。
適切なロゴを制作し、活用すればブランドの認知向上とイメージの確立を実現できます。
全体の料金相場は3万円〜30万円ほどです。
ただし、実際の費用はロゴのタイプや依頼先によって変動します。
ロゴの種類 | 料金相場 |
ロゴタイプ(文字のみで表現されるロゴ) | 3万円~10万円 |
ロゴマーク(図案がメインのロゴ) | 3万~30万円 |
コンビネーションマーク(ロゴタイプ+ロゴマーク) | 5万~30万円 |
動画コンテンツ
動画コンテンツとはプロモーション動画やサービス紹介動画、SNS用の動画などを指します。
テキストや画像中心のクリエイティブと比較すると制作費用は高いですが、テキストと映像、音声を使った情報量の多い訴求が可能です。
費用の範囲が5万円〜200万円と幅広いのも特徴です。
シンプルな動画や短い動画であれば低価格で制作できますが、一定以上のクオリティと長さを求めるなら、それなりの費用が必要となります。
動画の種類 | 料金相場 |
サービス紹介・マニュアル動画 | 5万円〜100万円 |
プロモーション動画・会社紹介 | 30万円~200万円 |
YouTube向けの動画 | 5万円〜100万円 |
SNS向けのショート動画 | 5万円〜50万円 |
コピーライティング
コピーライティングとはバナー広告やWebサイト、ランディングページ(LP)に掲載される文章を作成する作業のことです。
文字の力を使って、広告やサイトのパフォーマンスを最大化します。
主な種類はユーザーの興味を引くキャッチコピーとサービス・商品や企業理念を端的に表現するタグライン、サイトの本文にあたるボディコピーの3種です。
料金に関しては、基本的にWebサイトやLP制作の費用に含まれています。
単体で依頼する場合の相場は以下のとおりです。
コピーの種類 | 料金相場 |
キャッチコピー・タグライン | 3万円〜10万円 |
Webページのコピー | 1ページ1万円程度~ |
Webサイト・LPデザイン
企業理念や取り組みをアピールするWebサイト、サービス・商品の魅力をアピールしCVにつなげるLPもクリエイティブの一種です。
工程や作業が多いぶん費用は高めですが、適切なものを作成すれば中長期に渡って利益を創出します。
制作費用はサイトの規模やクオリティ、依頼先によって大きく変動します。
そのため、工夫次第では、低コストでの制作も可能です。
しかし、Webサイトは企業のイメージに大きく影響するため、ユーザビリティやクオリティも考慮した上で決断しましょう。
サイトの規模・種類 | 料金相場 |
小規模サイト | 10万円~65万円 |
中規模サイト | 100万円~300万円 |
大規模サイト | 200万円~500万円 |
LP | 30万円~80万円 |
関連記事:LP制作の外注を成功させるには?事前に整理すべきポイントや成功のコツを解説
フリーランス・デザイン会社・内製の費用と特徴を比較|依頼先でどう違う?
クリエイティブの制作費用は、依頼先によっても変動します。
主な依頼先は、フリーランスとデザイン会社、自社のチーム・部門(内製)です。
制作費用については、内製が最も抑えやすいです。
初期コストとして教育や採用、設備に関する費用が発生しますが、必要最小限の費用で制作を進められます。
次いで費用を抑えやすいのが、フリーランスです。
個人との契約のため中間マージンが発生せず、さらに人件費も1人分で済むので、総費用も安い傾向があります。
デザイン会社については、ほかの依頼先よりやや高めですが、クオリティや提案力の安定性は高い水準を誇ります。
それぞれを比較したものは以下の通りです。
内製 | ・制作費用を安く抑えられる ・自社のサービスや商品、風土への理解が深い ・初期コストとして多くの手間と費用が発生する ・制作を継続しないと人材を持て余す可能性がある |
フリーランス | ・比較的コストを抑えやすい ・専門範囲内なら柔軟な対応が可能 ・納期対応や品質にバラつきが出やすい ・対応できる範囲とスキルが個人によって大きく異なる |
デザイン会社 | ・フリーランスと比べると費用は高め ・ディレクションや企画の専門知識をもった人材が在籍しているため、提案力と対応力が高い ・プロのデザイナーがチームで制作を行っているため、クオリティが安定している ・大規模な制作プロジェクトにも対応可能 |
制作体制の整備状況や目的によって、最適な依頼先は異なります。
たとえば、将来的な内製化を見据える場合でも、外部パートナーに伴走してもらうことで、必要なスキルや人材像の見極めがしやすくなり、教育・採用にかかる初期コストの削減にもつながります。
また、継続的な成果を求める場合は、チーム体制で提案から制作・運用まで対応できる制作会社のほうが、総合的なコストパフォーマンスに優れるケースも少なくありません。
制作費だけでなく、提案力・運用支援・将来的な内製化のしやすさまで含めて、トータルで判断することが大切です。
関連記事:LP外注と内製の違い|メリット・デメリットを徹底解説
クリエイティブ費用は依頼先や種類によって変わる!傾向を知って最善の判断をしよう
クリエイティブ制作の費用は、クリエイティブの種類や制作難易度、依頼先によって変動します。
多くの変動要因があるため、最善の判断をするためには、各要因と相場の傾向を理解することが重要です。
そして、広告の目的と狙う効果、予算を明確に決めた上で制作を依頼すれば、自社のニーズに合ったクリエイティブが手に入るでしょう。
また、制作から運用までを一任し、クリエイティブの効果を最大化したいなら、運用面の相談も可能な外注先に依頼するのがおすすめです。
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