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UXデザインとは?マーケティング・広報担当者が知るべき基礎知識を解説

2025年09月16日

UXデザインは顧客と長期的な関係を構築し、ブランドの継続的な成長を支える取り組みです。 本記事ではマーケティング・広報担当者ならぜひ知っておきたい、UXデザインの基礎知識を解説します。 UXデザイン| […]

UXデザインは顧客と長期的な関係を構築し、ブランドの継続的な成長を支える取り組みです。

本記事ではマーケティング・広報担当者ならぜひ知っておきたい、UXデザインの基礎知識を解説します。

UXデザイン|ユーザー体験を最適化する取り組み

UXデザインとは、サービスや商品の利用を通して得られるサービスの利用体験の最適化を試みる取り組みです。

「安心できる・心地よい・使い続けたい・楽しい」などの感情を抱いてもらうことを目標とします。

たとえば、サイトの導線を見直したり、アプリの操作性を高めたりする施策が含まれます。

緻密に設計されたUXデザインはストレスフリーな利用体験を提供する

優れたUXデザインの土台にあるのが、UXハニカムという考え方です。

これは情報設計の専門家ピーター・モービル氏が提唱したフレームワークで、UXを以下の7要素で考えます。

UXデザイン|ユーザー体験を最適化する取り組み

UXハニカムを活用することで、抽象的な「良い体験」を7つの要素に分けて整理でき、施策の優先順位づけや改善点の発見に役立ちます。

洗練されたUXデザインは、利用者にとってストレスのない体験を実現し、結果的に信頼やブランド価値の向上にもつながります。

UXデザインとUIデザインの違い

UXデザインUIデザイン
・サービス利用
・購入時の体験全般を設計ユーザーの感情を動か 
 す「体験」の提供が目標
・UIに加えてサービス導線や提供方法なども設計
・直接的な設計は不可
・ユーザーと直接接する部分(操作画面・見た目
 など)を設計
・ユーザーが直感的に操作できる設計が目標
・画面のレイアウト・アイコン・配色などを扱う
・直接的な設計が可能

UIデザインはユーザーとの接点、とくに直接操作する部分と接点を設計する取り組みを指します。

サービスやツールの使いやすさに影響する要素で、利用時の心地よさに大きく影響するとされています。

一方、UXデザインはサービス利用・購入時のユーザー体験全般を設計する取り組みです。

より大きな視点の考え方であり、利用時の使いやすさを設計するUIデザインは、UXデザインの一環として実施されます。

なぜ今、マーケティングでUXデザインが重要なのか?

ユーザーのニーズや市場環境が変化するなか、UXデザインは良質な体験を提供し、継続的な成長を支える取り組みとして重要性を増しています。

実際にUXに影響する読み込み時間を0.1秒短縮するだけで、コンバージョン率が10%前後上がるというデータもあります。

また、国内の調査では適切なUI/UX改善により、約7割の企業が問い合わせ・売上の件数やコンバージョン率の向上を実感したという結果が出ています。

参考記事:A study on how improvements in mobile site speed positively affect a brand’s bottom line

参考記事:UIUX内製52.2%が「成果見えない」DX化の課題は“スキル不足”【Web担219名調査】

顧客の価値観が「モノ消費」から「コト消費・トキ消費」にシフト

かつては、商品を所持することを前提とした「モノ消費」が中心でした。

しかし、モノが飽和した現代では、サービスや商品の利用を通じて「どのような体験が得られるか」自体が商品価値の一部となっています。

顧客のニーズを満たし、選ばれる企業になるためには、その体験を最適化するUXデザインの導入が欠かせません。

Webサイト・アプリ上の体験がブランドの満足度や期待値に直結するようになった

オンラインサービスの拡大やデジタルデバイスの普及により、Webサイトやアプリ経由での顧客接触が当たり前となりました。

その結果、オンラインでの体験がブランド・企業の満足度や期待値に強く影響するようになり、利用体験を最適化するUXデザインの重要性も高まっています。

UXデザインを導入して独自性が高くて記憶に残りつつ、ストレスの少ない体験を提供すれば、コンバージョン率の向上や他社との差別化を実現できます。

さらに、快適な体験はブランドへのイメージや満足度を高め、顧客生涯価値(LTV)の向上にも貢献するでしょう。

UXデザインの成功事例

UXデザインの具体的な効果や全体像の把握には、成功事例の参照が有効です。

実際の事例を確認しつつ、イメージを膨らませていけば、UXデザインへの理解を深められます。

自社に合った戦略立案にもつながるため、ぜひチェックしておきましょう。

Airbnb【Webサービス】UXデザインの導入で民泊を普及

宿泊したい人と部屋を貸したい人をマッチングするAirbnbは、サービス全体にUXデザインを採り入れ民泊の普及に貢献しました。

Webサイトでは直感的な検索が可能なデザインを採用し、使い心地を追求。

さらに、宿泊施設の概要ページにて施設の写真やホスト紹介、レビューを簡単に参照できるようにし、安心も提供しています。

また、おすすめスポットやイベントの紹介、認定ガイドによる体験コレクションといった、現地での体験を後押しするサービスも提供しています。

サイトの利用だけでなく、宿泊先での体験までをデザインすることで、UX全体を向上させた好事例です。

焼肉トラジ【ECサイト】共通ポイントの導入でリピート率を向上

次に紹介するのは、焼肉ブランド「TORAJI」を展開する株式会社トラジの事例です。

同社は、ECサイトと店舗でポイントが分断されていることに課題を感じていました。

そこで、サービスのUXを再設計し、共通ポイントを導入します。

その結果、ECサイト限定だったポイントが店舗でも貯まり、ポイント利用も両チャネルで可能となりました。

これにより、オンラインと店舗の相互集客を実現し、さらに顧客ロイヤルティとリピート率の向上を実現しています。

さらに専用アプリを通じてポイントやクーポンを一元管理できるようにし、顧客にとっては利便性が高まり、企業にとっては継続的に関係を築く仕組みが整いました。

参考:TORAJI POINTアプリ

UXデザイナー・UXデザイン会社との共創を成功させる4つのポイント

UXデザイナーやUXデザイン会社との共創を成功させるには、ポイントの意識と入念な準備が欠かせません。

ポイントを押さえた上で併走すれば、ミスコミュニケーションや分析不足によるトラブルを効果的に防止できます。

以下では、共創するならぜひ知っておきたい、成功のポイントを4つ紹介します。

目的・背景を共有する

UXデザイナーやUXデザイン会社に依頼する際には、UXデザインを採り入れて何を実現したいのか、なぜ再設計を依頼するのかを必ず共有しましょう。

各要素を明確に伝えることで、UXの改善や利益につながらない作業や認識の齟齬の発生を防止でき、さらに現状に合った提案を受けやすくなります。

可能であれば、コンバージョン率や定着率などの指標を明確にし、依頼の段階で伝えるとより効果的です。

共有方法としては、プロジェクトの目標や戦略などをまとめたプロジェクトブリーフを作成し、最初のミーティングで提示したり、データで送付したりするのが一般的です。

誰のどのような課題を解決したいかを明確化する

UXデザインの方向性を決めるためには、誰のどのような課題を解決したいかを明確化することが不可欠です。

ターゲット像と課題が不明瞭だと、ニーズに合わない施策の実施につながりかねません。

また、UXデザイナーやデザイン会社への適切な指示出し、フィードバックなども難しくなります。

共創をする際には、ターゲットの具体化と分析をおこない、どのような導線でサービスを利用するかを考えておきましょう。

具体的なやり方については、インタビューやアンケート、市場調査などをおこなうのが定番です。

関連記事:インバウンド向けデザインを解説|実用化された事例も紹介

どの媒体で体験を届けるかを決める

UXの改善に取り組む際には、どの媒体で体験を届けるか、どれが一番成果につながるかを考えておくことが重要です。

体験を提供する土台、または候補を決めることで、機能や体験の設計を進めやすくなります。

さらに、UXデザイナーとの相談や外部パートナー選びもスムーズに進められます。

共創を始める前にはオウンドメディアやWebサービス、ECサイト、アプリ、リアルのどれを活用するかを具体的に決めておきましょう。

「見た目」ではなく「体験」を依頼することを意識

UXデザインにおいて、見た目や操作性に影響するUIは重要な要素です。

しかし、見た目を重視した依頼では、ユーザー体験の最適化までカバーできない可能性もあります。

そのため、依頼の際には情報の見つけやすさやサイト内の回遊性、サービス利用の導線といった、体験に直結する部分まで伝えるようにしましょう。

また、体験を具体的にイメージできない場合は、ユーザー像や自社の課題を明確に伝え、UXの知識が豊富なプロと一緒に設計を進める方法も有効です。

UXデザインは体験を設計する取り組み!ポイントを押さえた共創で体験を最適化しよう

UXデザインはサービスや商品の利用体験を通して得られる、顧客体験を最適化する取り組みです。

顧客のニーズや状況をしっかりと分析した上で、Webサイトやサービス、アプリのUX改善を進めれば顧客と企業の双方に利益をもたらします。

しかし、UXデザインは専門的な分野で、部門を横断した協力体制も必要です。

そのため、専門知識を持った人材の確保や部門間の調整が難しいことにより、思うように改善を進められないケースも少なくありません。

「何から手を付ければいいかわからない」「リソースや体制に不安がある」場合は、UXデザインを得意とする外部パートナーへ頼るのもひとつの手段です。

kazeniwa Creative Teamは、ユーザーに快適な利用体験を提供するサイト設計を得意としています。

WebサイトのUX改善について課題や不安を抱えているなら、ぜひお気軽にご相談ください。

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