ガイドライン作成は炎上やトラブルを防げるだけでなく、投稿の質を一定に保てるため、SNSを適切に運用する上で必要です。
本記事では、SNSガイドライン作成の目的や必要性、作り方のポイントについて解説します。
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SNSガイドラインとは|社内向けのSNS運用ルール
SNSガイドラインは従業員を対象にしたSNSの運用ルールをまとめた文書のことで、ソーシャルメディアガイドラインとも呼ばれています。
SNSのトラブルは企業への重大な影響は及ぼすことが示されています。
一般社団法人 日本リスクコミュニケーション協会の調査では、従業員によるSNS炎上を見聞きした消費者のうち、87.6%が「購買を見合わせる可能性がある」または「購買をやめる可能性が高い」と回答し、顧客離れによる売上損失という現実的なリスクが発生しやすくなります。
また、実際に企業でのトラブルもあり、従業員による炎上騒動によって経営が悪化した事例もあります。
たとえば、ある企業が大震災時に「テレビは地震ばかりでつまらない、そんなあなた、ご来店お待ちしています。」とSNSで発信し、炎上に発展しました。
SNS上でのトラブルを防ぐには、従業員を対象としたルールの策定が必要不可欠であり、「SNSガイドライン」の必要性が注目されています。
参考:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター|ネット炎上の研究 「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」
関連記事:SNS運用マニュアルの作り方!作成手順や例、運用代行会社も解説
関連記事:SNS運用は体制づくりがカギ!役割分担のコツと運用継続の仕組みとは
ソーシャルメディアポリシーとの違い
ソーシャルメディアポリシーとは、社外に向けてSNS利用における方針や心構えを表明した文書のことで、SNSポリシーとも呼ばれています。
主な目的は、企業のSNS運用方針を顧客やユーザーに対して明確にすることです。
炎上や風評被害を防ぐためには、ガイドラインだけでなく、ソーシャルメディアポリシーの作成も合わせて行うことが効果的です。
関連記事:ソーシャルメディアポリシーとは?作成のポイントや公表までの流れを解説
関連記事:SNSガバナンスとは?ガイドラインとの違いや具体的な施策をわかりやすく解説
SNSガイドライン作成の目的
SNSガイドラインを作成する目的を3つ解説します。
- SNS運用におけるトラブル・炎上リスクを防ぐ
- 投稿の質を一定に保つ
- 従業員個人のSNS利用に関するルールを明確にする
SNS運用におけるトラブル・炎上リスクを防ぐ
SNSトラブルを回避するためには、投稿して良い内容や発信に至る手順などルールの統一が重要です。
ガイドラインが作成されていない場合、SNS運用担当者が投稿内容を自己判断で決定することになり、不適切な投稿やコンプライアンス違反の発生を未然に防ぐことが難しくなります。
企業のSNSアカウントでトラブルや炎上が発生すると、ブランドイメージ低下や経営悪化といった影響を及ぼす可能性があります。
また、リスクマネジメント体制を構築するためには、SNSガイドラインの作成が欠かせません。
ガイドラインにトラブル発生時の対応策を明記することで、万が一の事態にも迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えられる可能性があります。
関連記事:企業SNSのリスクマネジメント方法!資格・リスクと対処法を解説
投稿の質を一定に保つ
トーン&マナーが投稿ごとに異なると、コンセプトがブレてしまい、ユーザーから共感を得るのが難しくなります。
SNSガイドラインによって、投稿する際に押さえておくべきポイントや注意点などが明確になれば、一定のクオリティを保った発信ができます。
また、部署内をはじめ社内で共有できるため、属人化の防止が可能です。
SNSは中長期的な運用が成功のポイントとなるため、投稿内容の質を一定に保つ上でガイドラインの作成が必要といえます。
従業員個人のSNS利用に関するルールを明確にする
SNSガイドラインを作成することで、アカウントだけでなく、従業員個人のSNS投稿に関するルールが明確になります。
言論の自由が保証されている中で、企業の信頼を守るためには、私的な投稿との線引きが必要です。
SNSガイドラインには、企業の炎上リスクを防ぐ目的として、私的利用に関するルールも明記しておきましょう。
企業におけるSNSガイドライン作成の必要性
企業がSNSガイドラインを作成する必要性について、下記2つの観点から解説します。
- SNSの特性にあわせたコミュニケーションが求められる
- SNS投稿が企業の透明性を見極める判断要素となる
SNSの特性にあわせたコミュニケーションが求められる
利用するSNSの特性を理解した上でコミュニケーションをとらなければ、トラブルや炎上に発展する可能性があります。
各SNSは多様化しており、利用する年齢層や用途も異なるためです。
たとえば、X(旧Twitter)は拡散性が高い特性により、リアルタイムで情報を得たい場合に活用され、主に10代〜30代の利用率が高い傾向にあります。
SNS運用を成功させるためには、各プラットフォームの特性に応じた適切な発信が重要なため、一定の質を保てるガイドライン作成が必要です。
参考:総務省情報通信政策研究所|令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>
SNS投稿が企業の透明性を見極める判断要素となる
企業のSNS投稿内容は、人材確保においても重要です。
Z世代はデジタルネイティブのため、就業にあたって企業の価値観が自分にマッチしているかをSNSでチェックしています。
従業員の不適切なSNS投稿による炎上が発生した企業に対し、77.3%の求職者が「応募をためらう」または「絶対に応募しない」と回答したという調査結果もあります。
SNS投稿が企業の透明性を見極める判断要素となるため、適切に運用できるようガイドライン作成が必要です。
SNSガイドラインの作り方とポイント
SNSガイドラインの作り方とポイントを3つのステップに分けて解説します。
- 構成を作成する
- フィードバックをもとにガイドラインを作成する
- 社内周知を徹底する
1.構成を作成する
SNSガイドラインは構成から作成する必要があります。
自社のSNS運用の現状について、下記3つのポイントを参考に整理しましょう。
- SNS運用の目的を明確にする
- 利用SNSにおけるユーザーとの関わり方や対応についてまとめる
- 実際に起きたトラブルや炎上発生時の対処法を確認する
目的や課題、リスクを明確にすることで目的に適したガイドラインを作成できます。
ガイドライン作成には、関係各部へのヒアリングも必要です。
また、他社事例を研究するのもおすすめです。
2.フィードバックをもとにガイドラインを作成する

構成が作成できたら、関係各部にフィードバックをもらいブラッシュアップをしていきます。
ブラッシュアップする際は、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 記載内容がイメージできるよう具体的な行動例を明記する
- 全従業員が見て理解できる内容にする
- 実務に適した内容にする
SNSガイドラインでは、トラブル発生時の対応フローやアカウントの管理体制など、最低限押さえておくべき項目を理解し、盛り込む必要があります。
入念なブラッシュアップを行ったのち、ガイドラインを作成しましょう。
関連記事:企業のSNS運用ルールとは?目的や必要性、設定すべき10項目を解説
関連記事:ブランドイメージと発信力を守る!企業SNSリスク管理のポイントと対策
3.社内周知を徹底する
SNSガイドラインの完成後は、関係各部と最終的な擦り合わせを行い、社内メールや研修などで全体周知を図ります。
ただし、SNSガイドラインを一方的に説明するだけでは、従業員が意識を高められない場合があります。
質疑応答やグループワーク、チェックテストを実施し、双方向のコミュニケーションを図りましょう。
SNSガイドライン運用フェーズの工夫
ガイドラインを周知したら終わりにするのではなく、浸透できるよう社内研修やOJTで定期的に共有し、意識を高めていきます。
作成後は定期的な見直しが必要になるため、法改正や社会情勢の変化などのタイミングでブラッシュアップしていくことも重要です。
見直しの際は、各部関係へのヒアリングや運用状況のモニタリングの実施などを行うとよいでしょう。
ガイドラインへの意識を高められるよう、社内メールなどを通じて継続的に情報発信するなど、リマインドの仕組み作りも重要です。
SNSガイドラインを作成してトラブルを未然に防ごう
SNS運用でトラブルや炎上を防ぐためには、ガイドラインの作成が重要です。
ガイドラインを作成することで、適切なSNS運用が実施できるだけでなく、投稿の質を一定に保てます。
しかし、ガイドラインの作成にはSNS運用に関する専門知識が必要です。
弊社kazeniwaのSUPでは、SNSやマーケティングに関する専門知識を持つ人材がSNS運用をサポートします。
SNSガイドライン作成が含まれているプランもあるため、トラブルを未然に防ぎ安定した運用を実施したい方は、お気軽にお問い合わせください。